日本における投資信託は、昭和26年に施行された証券投資信託法によって端を発し、高度経済成長の
好景気を背景に、随時、発展してきました。昭和36年には公社債投信が発売され、式や株式投信に
距離をおいていた人たちにも購入層が広がり、バブル期、その市場規模は58兆円(公社債投信含む)にも
上りました。しかし、バブル崩壊、その後の金融不安、低成長が続く中、株式投信は運用難で基準価格は
低迷し、多くの投資家が損失をこうむることとなりました。最近では、ゼロ金利政策で預貯金ではきわめて
わずかの利息収入しか得られないこと、2002年の定期性預金についてのペイオフ解禁、2005年の
全面解禁により大口預金者の金融資産の見直しの動きが広がり、預金者も少々のリスクは取っても
少しでも高い収益を得たいという心理から、最近では再び投資信託が注目されるようになってきました。
金融ビッグバンの流れで1998年12月から、従来はリスク商品の取り扱いを禁じられていた銀行の
投資信託商品の販売が解禁されたのを皮切りに、現在では生命保険・損害保険会社、信用金庫、果ては
郵便局まで多種多様な業種が参入し、販売競争が激化しています。なお多くのファンドの受益権は、
平成19年1月4日より振替制度(ファンドの受益権の発生、消滅、移転をコンピュータシステムにて
管理する)に移行する予定で、受益証券は発行されなくなります。投資信託とは何かを知るために、
銀行預金と比べてみましょう。銀行は預金者の資金を預金という形で集めて、資金を必要としている企業
に貸し出します。一方、投信会社は投資家から投資信託という形で資金を集めて、これを企業が発行する
株式や債券などに投資することによって資金を供給します。銀行も投信会社も、貯蓄者の資金を調達者
に結びつける仲介者の役割を果たす点では共通していますが、銀行預金の場合は、企業への貸し出しに
よって得た利息は銀行の収入となり、預金者はその中から一定の利息を受取るだけです。一方、
投資信託では、投信会社はそのファンドの投資運用を委託され、運用の手数料を受取るだけで、投資に
よる収益はすべて投資家のものとなります。したがって、投資信託では投資のリスクは直接、投資家が
負担することになります。投資によって大きな利益を得ることもできますが、逆に、投資による損失も
投資家の負担となり、場合によっては当初投資した元本の回収ができなくなるリスクもあります。これに
対し銀行預金では、企業への貸付のリスクは銀行が負います。預金者は元本と一定の利息の支払いを
銀行から保証されています。しかし、それ以上の収益は銀行のものとなり、預金者はもらうこと
はできません。

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